先進企業事例集

研鑽に向けて若手の会立ち上げ
学び直し支援制度も新たに構築

株式会社アースデザインコンサルタンツ
総務課長 滑川淳一さん

公開日:2025年2月12日
※インタビュー実施時の役職名を記載させて頂いております

株式会社アースデザインコンサルタンツ 総務課長 滑川淳一さん

若手の会という組織を設立して技術力向上などに取り組んでいると聞いておりますが、どんな目的で活動しているのでしょうか。

若手の会は2016年9月に当時の20、30代の若手社員が、自分たちのスキルアップをし、会社や地域に貢献したいという思いから勉強会や地域活動をするために立ち上げた組織です。

若手の会の取組が始まるきっかけや背景となった課題などがあれば教えてください。

私たちの会社は技術者集団ですので長く働いている方が多く、高齢化が進んできました。一時期採用がない時期もあったことから中間層が比較的薄く、新入社員と指導する立場の世代間ギャップも自然と生じていました。若手社員も新入社員を指導できるように、スキルアップを図っていこうという思いが会の設立につながっていきました。

若手の会の社員。会社入口の前での集合写真

若手の会ではどのような取組をされていますか。

年4回、定例会というものがあり、就業時間内に半日くらい使って勉強会をします。定例会ごとに講師を務める担当者が変わるため、研修内容は様々です。これまでにボーリング調査、3Dスキャナ研修、エクセル研修などを行いました。自分の部署の知識を深めるだけでなく、会社全体でどういう仕事の流れになっているかを学ぶ機会にもなっています。

当社所属の建設コンサルタンツ協会でも若手の会を立ち上げています。東北各県から若手社員が集まり、各企業の取組を紹介したり、親睦を深めたりする機会もあります。

メンター制度も取り入れているとのことですが、どのような理由からでしょうか。

近年採用しているのは高校や専門学校を卒業した若い世代です。仕事のことはもちろん、実家を離れて一人暮らしをする社員も多いため、悩みを抱えないように先輩社員が公私ともに相談相手になります。メンター自身もしっかりと聞く姿勢や人に伝えるというところの勉強になっています。

メンターに対しては、制度が始まって以来メンター手当を支給しています。月1回以上は必ず面談することにしており、業務調整をしながら1〜2時間、若手に寄り添う時間を作ってくれています。手当を使って若手と一緒に懇親を深めている人もいます。

PCを覗き込みながら話し合う社員

取組を進める上で、苦労した点などがあれば教えてください。

若手の会の取組に関しては、始めたころはまだ組織の中の一つとして見られていなかった時期もあり、活動への理解が低かった部分がありました。若手の会の中から難関資格を取得する社員が出てくるなど、勉強している姿勢を周囲が見ることで会への認識も変わってきました。現在は、就職面接会に若手の会の社員が同行して会社のPRをしたり、産業まつりに出展するなど、本当に頼られる存在になっています。

若手の会やメンター制度のほかに、スキルアップや資格取得などに対する会社としての支援があれば教えてください。

この業界は資格が重要です。特に技術士や測量士という国家資格は会社に必要な資格であるため、資格取得支援計画を作成し、資格取得を支援しています。資格手当に加え、難関資格には取得時に報奨金も出します。若いうちから積極的な資格取得を促すため、2024年からは40歳未満で資格を取得した場合に資格手当や報奨金額を増額する取組も始め、資格取得への意欲が高まっています。

話し合いの様子

社員のスキルアップに向けた今後取り組みたいこと拡充したいことはどんなことですか。

新たに学びたい社員には会社から助成金を出して学びを進めてもらう体制を2025年から検討しています。これは、若手の会や先輩の指導で仕事の知識を得てきたが、学校で基礎をもう一度学び直したいという社員の要望を受けてのものです。

学びということで専門学校や大学に行く社員の支援も一つですし、会社として各協会などが主催する技術研修を紹介するなど、これからも資格取得やスキルアップに向けて勉強してもらう機会は作っていきたいと思います。

株式会社アースデザインコンサルタンツ 総務課長 滑川淳一さん

その他の先進企業事例